私たちは、「Forever vivid 人の時間(とき)を、解き放つ。Untether time.」
という企業スローガンのもと、
「Uniqueな感性と思考で生み出した製品やサービスで、
すべての人を年齢から解き放ち、新たな価値観で輝かせる。」
というパーパスを、研究・技術開発においても追及しています。
プレミアアンチエイジング株式会社は「アンチエイジング事業」、
株式会社ベネクスは「リカバリー事業」を通して、
日々研究を重ねています。
この対談では、プレミアアンチエイジング株式会社「アンチエイジング事業」の技術開発部 部長であり、
油化学学会で数々の受賞歴を持つ松尾一貴(本文:松尾)と、
株式会社ベネクスの創業者である、代表取締役 中村太一(本文:中村)が、
「アンチエイジング事業」と「リカバリー事業」の研究開発のこれまで、
そしてこれからを起点に、複数のテーマにわたり、
それぞれの取り組みや想い、展望について意見を交わしています。
自由な発想だからこそ発見が生まれる研究開発体制の強み
中村:
“こんな製品があったら面白いのではないか?”から開発を進められるのは
自社で製造設備を持たないファブレスの強みです。
PHT(Platinum Harmonized Technology)繊維*の誕生には高い技術力が必要で、
実現するまで大変な苦労の連続でしたが、
“このアイデアを実現させたら面白い”を優先し、思考錯誤を重ねました。
「表面がボコボコの繊維」の設計は
生産性や効率を考えたら選ばないと思うのですが、
あえて表面に凹凸を持たせた設計に挑戦しました。
結果として、その構造が肌への接触や体感において
重要な役割を果たしていることが、後から分かってきました。
試してみたからこそ得られた発見だったと感じています。
「繊維から“飛び出している粒子”がいい仕事をしている。」
あえて作り上げたからこそ新しい価値が生まれたと思っています。
松尾:
ファブレスだと“とりあえずやってみようよ”で機動的に動ける。
純粋な好奇心で始めて、まずは仮説として試してみる。
その上で、必要な技術を組み合わせ、
専門性によって完成度を高めて開発を追求していく姿勢は
「アンチエイジング事業」「リカバリー事業」ともに共通していますね。
私たちの想いを加速するために、2023年11月に、
本社の一角に「プレミアアンチエイジング・ラボ」が誕生しました。
マーケティングや営業担当者がお客様や現場で得た
リアルなニーズを基に、すぐに開発のプロトタイプとなるレシピを設計し、
そのレシピを実現するパートナー企業と進めていったり、
産学連携の実験なども行ってきたりしました。
私たち開発部門が考えもしないような新しい発想やニーズに刺激を得て、
どのような技術で実現するのかを、
オーダーメードの商品を作るかのように、
いちから組み立てる場所となっています。
*PHT(Platinum Harmonized Technology)繊維(DPV576)詳細(https://recovery-science.jp/dpv576/)
体感からメカニズムへ
中村:
ベネクスのリカバリーウエアの出発点は「着用前後で違いを感じる」という体感でした。
トップアスリートに試してもらった際にも、まず実感としての変化が共有されました。
そこから、「身体の中で何が起きているのか」を明らかにするため、
バイタルサインや自律神経の指標を一つひとつ確認し、
TRPチャネル*の反応や赤外線放射特性など、
関与する要素を段階的に検証していきました。
研究とは、「目に見えない変化を、測定可能な形へと翻訳していくプロセス」だと考えています。
その解像度を高めることで、次の発想や応用につながる余地が生まれると感じています。
松尾:
その考え方には強く共感します。
私たちも、「テクスチャーが良い」「心地よい」という感覚を、
感想のままで終わらせることはありません。
なぜその体感が生まれるのかを検証し、
その背景にある理論やメカニズムまで理解をして、
よりよいアンチエイジングソリューションに、自分たちで発展させていきたいと考えています。
体感を起点にしながら、エビデンスとメカニズムを掘り下げていく姿勢こそが、
研究開発の質を高めると感じています。
*TRP=Transient Receptor Potential。
様々な感覚受容に関与する陽イオンチャネルファミリーで、化学物質や温度などを感知して電気信号に変換するセンサー。
心地よさと、続けられること
松尾:
若々しさを感じさせる人には、細胞レベルで何かが巡っているような印象があります。
それは数値だけでは捉えきれないものですが、
確かに体感として存在するものだと感じています。
「リカバリー事業」についてお伺いし、
感じたのは「負荷をかける」よりも「心地よさ」を重視し、
心地よく続けられること自体が、
アンチエイジングにつながる要素なのではないかということです。
その循環に入るための、最初に心が動く瞬間をつくれるかどうか。
研究開発においても、そこは非常に重要な視点だと思っています。
中村:
まさにその通りで、リカバリーウェアでも化粧品でも、
使い続けてもらえなければ、
どれだけエビデンスを積み上げても意味がありません。
機能性が高い製品は多くありますが、
「使い続けたい」と感じられるかどうかは、
また別の次元の価値です。
私たちは創業当初から、心地よさを重視する文化を大切にしてきました。
その考え方が、テクスチャーや使い心地といった体験価値に反映され、
結果として継続につながっているのではないかと感じています。
「目に見えないもの」を研究するというスタンス
松尾:
体温や肌温がわずかに変化するだけでも、血流や鎮静といった反応の現れ方は変わってきます。
数値として捉えにくい変化であっても、
肌のコンディションや心地よさとして、確かに体感されるものがあります。
東洋医学でいう「気・血・水」のように、
一見すると捉えにくい要素も、
実際には肌の状態に影響を与えていると考えています。
だからこそ、見えにくい変化を前提として研究に向き合いたいと考えています。
中村:
私たちも、「目に見えない心地よさ」や「リカバリー感」といった感覚を、
どのように数値化し、
エビデンスとして捉えるかという課題から研究を進めてきました。
ただ、出発点にあるのは、理論よりも先に感じ取られる「違い」や「心地よさ」です。
そうした感覚的な変化を起点にしながら、
後から科学的に検証し、裏付けていく。その順番を大切にしています。
非常識への挑戦とカルチャーづくり
中村:
ベネクスでは、「非常識への挑戦」を経営理念に掲げています。
ただ、組織が成長するほど、
人は無意識のうちに安定や前例に寄ってしまうものだと感じています。
だからこそ、非常識に挑み続けるためには、
意図的に“揺らぎ”や“不確実性”を内包することも必要なのではないかと考えています。
実際、製造現場で想定外のトラブルに直面したこともありました。
しかしその状況が、新しい加工方法や発想に踏み出すきっかけになった側面もあります。
追い込まれた状況だからこそ生まれる思考もある。
そうした挑戦の連鎖を、個人に依存するのではなく、
組織の文化として保つことが重要と考えています。
松尾:
その考え方には強く共感します。
プレミアアンチエイジングも、「Unique」や「パイオニア」を掲げる以上、
常に自分たちの前提を問い直し続ける姿勢が欠かせません。
既存の成功体験や慣れに安住せず、あえて自分たちを更新し続けられるかどうか。
その姿勢が、個人ではなくカルチャーとして残るかどうかが鍵だと思います。
Unique×パイオニアとしての立ち位置
松尾:
既存の枠組みに収まらない領域で、エビデンスを積み重ねながら新しい価値のカテゴリーを構築していく。
それが、私たちの研究開発の役割だと考えています。
化粧品でありながら、従来の化粧品の定義には収まらない。
そうしたアンバランスさの中に、
次の可能性があるのではないかと感じています。
中村:
内外ケア、繊維と処方、目に見えない変化を研究し、社会に実装していく。
その積み重ねこそが、「Unique」や「パイオニア」を掲げ続ける私たちの責任であり、役割だと思っています。
松尾と中村の対談、いかがでしたか?
今回は、「アンチエイジング事業」と「リカバリー事業」それぞれの研究開発のこれまで、
大切にしている想いや視点、今後の展望についてお話を聞きました。
今後も新たなテーマでの対談をお届けしてまいります。
プレミアアンチエイジング株式会社
技術開発部 部長 松尾一貴 (農学博士)
大学では応用化学を学び、化粧品の原料の知識をつけ、大手化粧品メーカーの基礎研究・製品開発に従事。自身が研究した技術は化粧品メーカーとして初の日本油化学会「ヤングフェロー賞」と関東支部「若手研究者奨励賞」をダブル受賞。2022年8月よりプレミアアンチエイジングにて基礎研究と製品開発を担当。社内ラボを設立し、産学官連携を通じた、独自技術の内製化を推進している。
株式会社べネクス
代表取締役 中村太一
慶応義塾大学商学部卒業後、コンサルティング会社に入社。同社の運営する有料老人ホームの立ち上げ、営業を経て、2005年9月、株式会社ベネクスを設立。東海大学や神奈川県との産学公連携事業により休養時専用のリカバリーウェアを開発し、国内のみならず海外にも展開している。ドイツで開催される世界最大級の国際スポーツ用品専門見本市「ISPO」アジアンプロダクト部門では、日本企業初の金賞を受賞。次の時代を担う創造企業の代表として、自ら行動・挑戦し続けている。